letter
 — Vol.01

竹本吉輝から林厚見氏へ

August 9th, 2013

突然ですが、これから、往復書簡(的なモノ)をはじめます。
まずは、朋友(? ちなみに、同い歳の)東京R不動産の林厚見氏と。
実は、この往復書簡、当初、彼のブログの場を借りてできないかな、と、1年ぐらい前に(大井町の某「肉」寿司屋で)企画し、その第一弾として、以下の様な文を(ちょっと真面目に)綴ったところ、林氏より、「僕のブログ上でどうすればしっくりくるのか?とちょっと悩みます。」と、暗に(?)断られ、「別の場所を構えた方がすっきりするような気がします。」と代案提示を受ける、そんなやり取りがあったのでした。
で、本ブログが、ここでいう「別の場所」にそぐうのか甚だ未明なモノの、まあ、はじめてから考えましょ、という感じで(勝手に)はじめることに(しました)。

「つづること を つづけること」
40歳までは足し算、40歳からは引き算。誰、誰某が言う。
想いを他所に。思いとは別に。
いままでもこれからも、年月、月日、その刹那、何かを得、何某かを失う。
いままでもこれからも、いまここにしか在れず、在り続けることはできず。
つづること を つづけること で、いまここにある僕に、刹那の圧倒的固有性をみつける。
つづること を つづけること で、いまここにある僕に、連綿と移ろう複数性をみつける。
林厚見と、40歳を前にして出会い、40歳にして語らう。
偶然にも。必然とも。
とある路地のとある店、その小部屋、その片隅で想起する。声に出す。
連歌。はじめようよ。ふたりでさ。とにかくはじめよう。
人は世代を生きている訳じゃない。誰、誰某が言う。
想いを他所に、思いとは別に。
同世代の僕たちが、同世代で在ることを確認し、同世代としてつづる。
同世代の謳。
つづること を つづけること、そして、つらねること で、
日々移ろう、複数性に充ち満ちた、いまここにある僕、僕たちを、
その刹那に永遠にみつけられたらと想う。

確かに、こうして詠み直すと、人様のブログに軽く招き入れてもらえるコンテンツではないかも(まあ、断られるわけだ)。要(?)は、「日々移ろう、複数性に充ち満ちた、いまここにある僕、僕たち」を、往復書簡(先のテクストでは「連歌」)という手段を用いて、その時々に表す(綴る)ことで、無自覚な自分自身の「圧倒的固有性」と「複数性」を自覚させてしまえ、という試み、なのです。日頃、「いろいろあるよね」といいながら、「いろいろ」がなんであるのか、どう「ある」のか(ないのか)、真面目にカード出しあうこと少ない折、でもあるので。
加えて、その彼が経営の一端を担う東京R不動産と(僕が経営の一端を担う)東京・森と市庭が資本提携する、そうした折、でもあり、両社が今後どんな企てコラボを為すのか、その連携が東京の空間創りにどんな一石を投じるのか、乞うご期待!な、往復書簡を開始するに、極めて時宜に適った(どころではない)タイミングなのです。
今後ますます抜き差しならぬ関係に発展するであろう、ふたり、の今日この頃、
林くん、幾久しく、よろしくお願いします。

photo by 井島健至

プロフィール紹介

林厚見 Atsumi Hayashi

株式会社スピーク共同代表。「東京R不動産」では主に事業面のマネジメントを担い、他に不動産開発・リノベーション等における企画・プロデュース、新島のカフェ・宿「saro」の経営などを行う。1971年東京生まれ。東京大学工学部建築学科、コロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。マッキンゼー、不動産ディベロッパーを経て2004年吉里裕也と株式会社スピークを設立。共編著書に「だから、僕らはこの働き方を選んだ」「東京R不動産2」「toolbox」等。

竹本吉輝 Yoshiteru Takemoto

1971年神奈川県生まれ。横浜国立大学国際経済法学研究科修了。外資系会計事務所、環境コンサルティング会社の設立経営などを経て、2009年、株式会社トビムシ設立。10年、ワリバシカンパニー株式会社の設立に参画。13年、株式会社東京・森と市庭を設立、代表取締役就任。専門は環境法。国内環境政策立案に多数関与。同時に、財務会計・金融の知見を加味した環境ビジネスの実際的、多面的展開にも実績多数。立法(マクロ政策)と起業(ミクロ市場)で双方の現場を知る。