letter
 — Vol.02

林厚見氏から竹本吉輝へ

August 16th, 2013

どうも、林です。
ところでこれって、往復書簡か、代わりばんこコラムか、どっちになるんだろう?
「君はあのときこういったよね・・」みたいな洒落た文通モードはちょっと恥ずかしいので、とりあえず往復コラムくらいな感じでいこうかと。

さかのぼれば3年ほど前だったか、トビムシ社の記事を読んで気になる会社だなと思っていたら、竹本氏はある日事務所にやってきた。どうやら彼もうちの会社のことが気になっていたらしい。
きっと”会うのが必然”系の相手なんだろうなと思いつつ、挨拶に行きしばし話したのが最初だった。

竹本氏がずるいのは、メッセージと仕組みの組み合わせがやけに上手いことだ。
僕は世の中をメッセージで変えるか、仕組みや事業で変えるかということをよく考えるのだけど、自分はいわゆる表現者でも、素敵メッセンジャーキャラでも残念ながらないため、心の中で叫びながら、よりよい世界に近づくための仕組みと作戦をしこしこ練ろうとするタイプである。

でもやっぱり人の心を動かすのは人であり、ストーリーであり、熱いメッセージに触れるときであり、そして人の心が少しでも動けば世の中は少し動く。結局両方が必要。
竹やんは、法律とか会計とかの玄人でありながら、時としてふっ!と文学的なキャラ、表現者になるあたりが、僕に言わせればずるい(羨ましい)ところであり、頼もしいところだ。

しかし熱いビジョンも仕掛けも、人の足が自然に大きく動き始めるのに必要なのは、そこに楽しさと気持ち良さがあるか次第。つまり快と楽。はたまた美と笑。テンション上げてナンボ。
声も思いも曲も楽器もアレンジも、場の空気や空間もうまく噛み合ったときに、スゴいことは起こる。

森と市庭」が大きなうねりをつくり、新しいまっとうな形を生み出すには、そうした全てを総動員しないといけないわけで、ここで竹本氏の本気のプロデュースの腕が試されることになる
(プレッシャーかけます・・ふっふっふ)。
僕もステージ脇で、たまにステージに乱入しつつ、細かいアドリブを決めていきたいと思っております。楽しみですな。

あ、それから以前の件はですね、頂いたコトバが難しくて意味がわからなかった(恥)という話でして。
「刹那の圧倒的固有性」とか「連綿と移ろう複数性」とか、いまだにわかっていません。
かくいう僕も、考えるほど悩むほど深掘るほど、説明する言葉が難しくなる類の人間なので、ここでやりとりしていけばいつか、きっと新しい発見や理解の境地に至れるのではと期待している次第であります。

暑いので、まずはこのへんで。涼しい森で、また。

プロフィール紹介

林厚見 Atsumi Hayashi

株式会社スピーク共同代表。「東京R不動産」では主に事業面のマネジメントを担い、他に不動産開発・リノベーション等における企画・プロデュース、新島のカフェ・宿「saro」の経営などを行う。1971年東京生まれ。東京大学工学部建築学科、コロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。マッキンゼー、不動産ディベロッパーを経て2004年吉里裕也と株式会社スピークを設立。共編著書に「だから、僕らはこの働き方を選んだ」「東京R不動産2」「toolbox」等。

竹本吉輝 Yoshiteru Takemoto

1971年神奈川県生まれ。横浜国立大学国際経済法学研究科修了。外資系会計事務所、環境コンサルティング会社の設立経営などを経て、2009年、株式会社トビムシ設立。10年、ワリバシカンパニー株式会社の設立に参画。13年、株式会社東京・森と市庭を設立、代表取締役就任。専門は環境法。国内環境政策立案に多数関与。同時に、財務会計・金融の知見を加味した環境ビジネスの実際的、多面的展開にも実績多数。立法(マクロ政策)と起業(ミクロ市場)で双方の現場を知る。