トビムシ創設から4年の歳月がながれた2013年の春、東京・森と市庭という会社を、東京・奥多摩の森に想いを馳せる人たちと一緒にはじめました。それまで、岡山の森、西粟倉・森の学校(を軌道に乗せるあらゆること)がトビムシのほぼほぼすべての試み、営みでしたが、彼の地における「0→1」の創造行為、その興奮と混乱、歓喜と苦闘を経て(2013年8月現在、なお続いていますが)、トビムシは、「1→2」、すなわち、「1→∞」ともいえる想像(期待)行為の段へ移行しました(おそらくたぶん)。

もちろん、トビムシの立上げ当初より、西粟倉に限らない、地域の森、地域の営みの再興を企図していた訳ですが、ひとつとして成すことなしに、そうした企てを声高に語ったとして、戯言の謗りを免れなかったことでしょう。それが、多くのご縁とご支援により、多くの想いと行いにより、次なる段へ(なんとか)歩を進めることができ、そこにきて漸く、トビムシをはじめる前の、はじめてからの、そしてこれからのことを(やはり声高ではなく)綴りたいと思うようになりました。

その土地土地に向かい合う、その時時の在り様を、自分の言葉、仲間の言葉、そしてダイアローグを通じて、素直に表現していきたいと思います。

2013年8月 竹本吉輝

» ただともだちの話のあるいくつかは心に残り、他のいくつかは忘れてしまうように。