志をともにするたまに会う人との話

鎌倉投信の鎌田さんと、たくさんの投資家さんたちと。

1万円から投資ができ、独自の基準で選定した「いい会社」に投資している(トビムシも投資していただいている)投資信託「結い 2101(ゆいにいいちぜろいち)」を運用・販売している鎌倉投信。2013年4月には、投資信託「結い2101」が、格付投資情報センターの選定する『R&Iファンド大賞2013』において、最優秀ファンド賞(投資信託国内株式部門)を受賞。そして、同年8月31日の第4回「結い 2101」受益者総会を終えたその3日後、鎌倉投信社長の鎌田さんと、受益者総会のことからはじまり、受益者総会にきてくれた投資家さんたちのこと、投資先の企業のこと、業界の中で異色の投信委託会社としての3年間とこれから、について話しました。
(この対談は2013年9月におこなわれました)
表紙画像提供:鎌倉投信(第4回受益者総会の様子)

第2回 投資の軸、金融のレバレッジ

鎌 田

ユカハリタイルといえば、
投資先のサクセスホールディングスさんでも
西粟倉村の間伐材の床材や備品を使ってくれてますね。
これから保育所を増やしていかれる中で、
間伐材がどんどん使われていきますね。

竹 本

おかげさまで、鎌倉投信さんに投資をしてもらった、
関係性の中で、いろんなご縁をいただいています。

鎌 田

それが、僕らの目指すひとつのかたちですから。
投資家がいい会社を投資家として応援するだけじゃなく、
商品を買ってくれて、お客さんとして応援してくれる。
その「場」をつくるのが、鎌倉投信の役割なんです。
その「場」で企業間のコラボも生まれる。
そういうことをするのが、ほんとの意味での「金融のレバレッジ」。
価値創造の連鎖を生むことができるんです。
それが、リアルの世界で出来るんです。

竹 本

事業者の実感として、まさにレバレッジが効いてる感じがします。
でも、「そんなことできたらいいね」という話はよくあるけど、
そんなことって実際にはなかなかないじゃないですか。
企業同士が実際に関係性をもてるってすごいことだと思うんです。

鎌 田

それは、たぶん投資の軸だと思う。
僕らが投資する会社は
「社会的課題を解決する」という軸をもっている。
だから、なにか接点があれば、その軸で必ずつながる。
僕らからするとそれは偶然ではなく必然なんです。

竹 本

はい。

鎌 田

これまで運用会社は「業種」というカテゴリーで
企業を選んでいた。
それは技術的にはみなきゃいけないけど、
本質的には意味がなくなってきている。
僕らは、企業を社会的課題のセグメントでみている。
トビムシでいうと、林業の再生、地域の再生。

竹 本

鎌倉さんの社屋とかイベントとかで
他の投資先の会社の社長さんとお会いすると、
すーっと話が通じるんです。
ほんとにありがたい、すばらしいと思います。

鎌 田

よく「投資先の会社に対してものいうんですか」と聞かれますけど、
いってることは2つなんです。
「いい会社でいてください」ということ。
それから時に、
「こことここが交わったら価値が生まれるんじゃないか」
と提案してます。

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プロフィール紹介

鎌田恭幸 Yasuyuki Kamata

鎌倉投信株式会社代表取締役社長。1965年島根県生まれ。日系・外資系信託銀行を通じて25年にわたり資産運用業務に携わる。株式等の運用、運用商品の企画、年金等の機関投資家営業等を経て、外資系信託銀行の代表取締役副社長を務める。2008年11月に鎌倉投信(株)を創業。社長として事業全体を統括する。資本の論理に翻弄される金融から脱却し、社会を本当に豊かにするための金融のあり方を、実直に、誠実に求め続ける。2011年8月テレビ東京系列「ガイアの夜明け」で紹介される。著書「日本で一番投資したい会社」(アチーブメント出版)共著「21世紀をつくる人を幸せにする会社」(ディスカヴァー21)

竹本吉輝 Yoshiteru Takemoto

1971年神奈川県生まれ。横浜国立大学国際経済法学研究科修了。外資系会計事務所、環境コンサルティング会社の設立経営などを経て、2009年、株式会社トビムシ設立。10年、ワリバシカンパニー株式会社の設立に参画。13年、株式会社東京・森と市庭を設立、代表取締役就任。専門は環境法。国内環境政策立案に多数関与。同時に、財務会計・金融の知見を加味した環境ビジネスの実際的、多面的展開にも実績多数。立法(マクロ政策)と起業(ミクロ市場)で双方の現場を知る。