letter
 — Vol.05

竹本吉輝から中渓宏一氏へ3

October 18th, 2013

宏一くん
いま頃、きっと阿蘇山中で(ケンゴさんらと)嬉々として遊んでることでしょう。
さりとて、僕が泊まりにいった頃(夏)と異なり、北外輪山(の内側)の中腹は、既に涼しい、ではなく、相当に寒いのだろうね。きっと。(それでもやっぱり、嬉々として遊んでるんだろうけど。)

先般同行させてもらった阿蘇―福岡(糸島)3泊4日の旅路、そこで僕も阿蘇の魅力にハマりかけたわけだけど、実際、阿蘇の雄大さ、九州の肥沃さを再認識する行程だった。
つい先日、芸術人類学研究所主催「土地と力」天と地のコレスポンダンス、というシンポジウムに参加した際、阿蘇って、まさにその土地の力を強く(どころではないほど)感じる空間だし、そもそも(山であることから)天近く在るわけで、カルデラの大地は(もちろん、外輪山も阿蘇五岳も)、天と常に呼応している、天の影響を強く受けている、に違いないと、改めて確信した次第。
そもそも林業に関係などしていると、ある意味必然的に中央構造線(の南北)沿いを行き来すること多々間々あるわけだけど、そして、その土地その土地の神話などに触れること多々間々あるわけだけど、実際、ちょうど阿蘇の直後に、中央構造線を東進し、信州松本平に訪いを入れたりすると(仕事です)、かつて湖であったと思しき地形的相似性や、天との物理的・心理的距離の近似性、そして諏訪大社と阿蘇神社の伝説等々の類似性に直面し、ついつい仕事をほったらかし(てません)、それら好奇心を充足させるところに時間を割いてしまったり(も)する。
宏一くんは、確か、2回ほど日本列島(北海道-沖縄)を縦横断していたと思うけど、折角(?)なので、次回は、阿蘇から中央構造線を東進したらどうだろうか。諸説に応じて、諏訪まででもいいし、関東(埼玉辺り)まで進んでもいいし、鹿島灘まで突っ切ってもいいし。
「地球を歩く、木を植える」SEEDMANの称号を一時返上して、「(日本の)中央構造線を歩く、木を使う」って(笑)。

阿蘇であったり、新潟であったり、西粟倉であったり、と、宏一くんとの巡り合いは、自然豊かな空間が多いこと常なんだろうけど(あと、中央構造線・糸魚川静岡構造線の周辺であったりもしたけど)、次回はなんと東京だね。10月22日(火)蒲田(『パワー・トゥ・ザ・ピープル』上映会+“世界中を歩いて木を植えるSEEDMAN”中渓宏一✕ゲストトーク)と、10月24日(木)丸の内(丸の内朝大学 トウキョウ森暮らしクラス~ピクニッククラス上級編~)。上映会トークの方は僕がゲスト、朝大学の方は宏一くんがゲスト。まあ、バーターっぽくも、その実、贈与、ってことで。いずれ愉しみに。

それでは、彼の地での再会を期して。

竹本吉輝

画像出典:Wikipedia

プロフィール紹介

中渓宏一 Koichi Nakatani

1971年ワシントン州シアトル生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、三菱商事に6年間勤務。日本初のe-learningベンチャーに数ヶ月転職した後に世界放浪の旅へ。世界各地の祭りを追いかける旅は、環境活動家「アースウォーカー」との運命の出逢いをきっかけにアフリカの大地を歩き、木を植える旅に。帰国後は日本列島を徒歩で二回縦断、主に小学校での植樹活動を行った。2011年に家族でチリのパタゴニアに移住、オフグリッドな森暮らしの楽しさを伝える「森かえる」プロジェクトを国内外で展開中。著書「地球を歩く、木を植える」(エイ出版)

竹本吉輝 Yoshiteru Takemoto

1971年神奈川県生まれ。横浜国立大学国際経済法学研究科修了。外資系会計事務所、環境コンサルティング会社の設立経営などを経て、2009年、株式会社トビムシ設立。10年、ワリバシカンパニー株式会社の設立に参画。13年、株式会社東京・森と市庭を設立、代表取締役就任。専門は環境法。国内環境政策立案に多数関与。同時に、財務会計・金融の知見を加味した環境ビジネスの実際的、多面的展開にも実績多数。立法(マクロ政策)と起業(ミクロ市場)で双方の現場を知る。