letter
 — Vol.02

中渓宏一氏から竹本吉輝へ

August 30th, 2013

たけちゃん
郡上八幡の宿、小川屋の一室でこの手紙をしたためて居ります。
BGMは徳島県は神山の歌姫、宮城愛の先日の感動の結婚式で入手した結婚記念アルバムの中の「G線上のアリア」。
優しくて切ないウクレレのサウンドが胸に響いて居ります。
音楽のつまみは郡上八幡の地酒、「宗祇」。
と、宿から程なく離れたお店で、おばあちゃんが丁寧に揚げてくれた串カツとコロッケ。
四畳半強の部屋の窓からは郡上城。
これぞ至福の日曜日の昼下がり。
なんで郡上かって?
そりゃーもう、噂の「郡上踊り」。
昨晩、初体験。
筆舌に尽くし難い、日本人必見、というか、「必踊り」の超イカシタ祭りでございました。
と語るには未だ未だ早い、とってもとっても奥の深い祭り。ということだけが昨晩、やっと分かった処。
興奮冷めやらぬまま、昨晩は近くのお寺、安養寺で野宿。小さなリュックに忍ばせた寝袋の形状をしたシーツでは流石に肌寒く、一夜明けた今日、ここ小川屋に非難。これで準備万端。今晩は再度、郡上踊りに乗り込むよ。
街のあちこちに湧き水のある郡上。パラダイスだね。

さて、たけちゃんからの手紙にあったキーワード、坂本龍馬について。
ニッポン男児にとって、これ以上無いって位の褒め言葉だよね。
「坂本龍馬みたいだね」って。
なんでなんだろう。
ぼくなりの言葉で表現すると、
「爽やかな風の如く、人と人の間を吹き抜けて行って、時代を変えた男だから。」かな。
こんな生き様、やっぱり憧れる。

で、たけちゃんはぼくにとって正に、「森の再生」をキーワードに、「他の誰よりも」日本中のヒトとヒトの間を爽やかな風の様に吹き抜けている存在なんだ。
どうどう?これぞ秘技「褒めまくり返し」。
でもね、これはマジで。
で、そんなたけちゃんが地理的にも、その他何もかもが「対極」にある日本とパタゴニアの森の再生に取り組めば、その「間」にある世界中のその他の森の再生にも取り組める。って感じてくれていることが超心強いし、ぼくの中で漠然としていた感覚を言葉にしてくれたお陰で、日本とパタゴニアを行き来する生き方を目指す理由がはっきりとした。
流石兄貴。

これからたけちゃんとガッチリとタッグを組んで、世界中のヒトとヒトの間を颯爽と駆け抜けて、地球規模的森再生事業に取り組みたい。
「トビムシ」と「森かえる」
昆虫と爬虫類。
俺の方が上だぜ。ククッ。

さっ、酒のつまみ買いに行こっと。

プロフィール紹介

中渓宏一 Koichi Nakatani

1971年ワシントン州シアトル生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、三菱商事に6年間勤務。日本初のe-learningベンチャーに数ヶ月転職した後に世界放浪の旅へ。世界各地の祭りを追いかける旅は、環境活動家「アースウォーカー」との運命の出逢いをきっかけにアフリカの大地を歩き、木を植える旅に。帰国後は日本列島を徒歩で二回縦断、主に小学校での植樹活動を行った。2011年に家族でチリのパタゴニアに移住、オフグリッドな森暮らしの楽しさを伝える「森かえる」プロジェクトを国内外で展開中。著書「地球を歩く、木を植える」(エイ出版)

竹本吉輝 Yoshiteru Takemoto

1971年神奈川県生まれ。横浜国立大学国際経済法学研究科修了。外資系会計事務所、環境コンサルティング会社の設立経営などを経て、2009年、株式会社トビムシ設立。10年、ワリバシカンパニー株式会社の設立に参画。13年、株式会社東京・森と市庭を設立、代表取締役就任。専門は環境法。国内環境政策立案に多数関与。同時に、財務会計・金融の知見を加味した環境ビジネスの実際的、多面的展開にも実績多数。立法(マクロ政策)と起業(ミクロ市場)で双方の現場を知る。